「Azure AI-102を受けようと思っていたら、資格が廃止されていた」という声を、2026年に入ってから何度か見かけるようになった。結論から言うと事実で、Azure AI Engineer Associate(試験AI-102)は2026年6月30日23:59(米国中部標準時)をもって廃止されている。この記事執筆時点(2026年9月)では、すでに新規受験はできない状態だ。後継として位置づけられているAI-103(Azure AI Apps and Agents Developer Associate)について、現時点でわかっていることを整理する。
AI-102はなぜ廃止されたのか
AI-102は元々、Azure AI Services(旧Cognitive Services)を使ったAIソリューションの設計・実装を問う試験だった。生成AIやエージェントの実装がすでに出題範囲に含まれてはいたが、あくまで既存サービスの拡張という位置づけだった。Microsoftの認定資格は技術トレンドの変化に合わせて頻繁に整理・統合されており、生成AI・エージェントを中核に据えた試験へと作り直す形で、AI-102はAI-103に置き換えられたと理解しておくとよい。なお、すでにAI-102を取得している人の認定自体は、有効期限まではそのまま有効とされている。
後継のAI-103はどんな試験か
AI-103(Azure AI Apps and Agents Developer Associate)は、本記事執筆時点でベータ試験として提供されている。出題の中心はMicrosoft Foundry、Azure AI Agent Service、Azure OpenAI、Content Understandingといった、生成AIアプリとエージェントの開発・評価・監視・ガバナンスに関わる技術群だ。試験時間は約120分、合格ラインは1000点満点中700点、受験料は2万円前後とされている。ベータ試験であることから、出題範囲や形式は正式版(GA)移行時に変更される可能性がある点には注意しておきたい。
AI-900やG検定との立ち位置の違い
Azure AI-900がAzureのAIサービス全般を俯瞰する入門資格であるのに対し、AI-103はエージェント開発という一点に絞った、より実装寄り・専門寄りの資格になる。AI-900からAI-102へという王道ルートが崩れた今、Azure系のAIエンジニアを目指す場合はAI-900で基礎を固めた後、AI-103のベータ〜正式版移行の様子を見ながら学習計画を立てる形になるだろう。G検定のような技術俯瞰型の資格と比べると、AI-103はAzureという特定プラットフォームでの実装スキルに完全に振り切っている点も特徴だ。
今、AI-103に飛びつくべきか
新設資格につきものの悩みとして、AIエージェント・ストラテジストの記事でも書いたことと同じ論点がここでも当てはまる。ベータ試験は出題範囲が固まっておらず、市場での評価もこれから積み上がる段階にある。Azureでの実務ですでにエージェント開発に関わっている、あるいは関わる予定が具体的にある人はベータのうちに挑戦する価値があるが、「なんとなく新しい資格だから」という理由だけで急ぐ必要はない。資格は意味がないという批判が向けられがちなのは、まさにこうした「見極め切れていない段階での飛びつき」が原因になっているケースが多い。
まとめ
AI-102はすでに過去の資格になった。Azure×AIのキャリアを考えるなら、AI-900で基礎を固めつつ、AI-103の正式版移行のタイミングと出題範囲の確定情報を待つのが今のところ最も無駄のない動き方だと思う。
コメント