「G検定とE資格、どっちから受ければいいですか」という相談は、AI資格の話をしているとかなりの頻度で出てくる。どちらも日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する資格という共通点があるせいで、同じ路線の違う難易度版くらいに見えがちだが、実際は問うている力の種類そのものが違う。hensachi.jpではG検定の偏差値を50、E資格を67としているが、この17の差の中身を分解してみる。
偏差値50と67の差は「暗記」と「実装」の差
G検定は「ディープラーニングの手法を事業に活かすための知識」を問う資格で、プログラミングの実技は一切出題されない。自宅のPCからオンラインで受験でき、合格率も近年75〜82%程度で推移している。対してE資格は、PyTorchやTensorFlowを使ってディープラーニングモデルを自力で実装・学習・チューニングできるかを、会場のPC上でコードレベルで厳格に測定する試験だ。
| G検定 | E資格 | |
|---|---|---|
| hensachi.jp偏差値 | 50 | 67 |
| 問われる力 | 知識・暗記が中心 | 数学理解+コード実装 |
| 主な対象者 | 企画・意思決定を行うビジネスパーソン | AIエンジニア・実装者 |
| 合格率の目安 | 75〜82%程度 | 非公開だがG検定より低い水準 |
G検定は「知っているかどうか」で決着がつく試験なのに対し、E資格は「手を動かして実装できるかどうか」まで踏み込んで問われる。この違いが、偏差値17の差のほとんどを説明していると考えていい。
受験料だけでは測れない、総額のコスト差
見落とされがちだが、この2つの資格はコスト構造がまったく違う。G検定は受験料13,200円(学生5,500円)を払えば、誰でもすぐに申し込める。一方E資格は受験料33,000円に加えて、JDLAが認定した対策プログラムの修了が受験資格として必須になっている。この認定プログラムの受講料は安いものでも5万円前後、内容が手厚いものだと16万円を超えるコースもあり、総額では8万円〜20万円規模の投資になる。「どっちを取るか」は実力だけでなく、この初期投資に見合う目的があるかどうかで判断したほうがいい。
数学・プログラミングの前提知識、どこまで必要か
G検定は法律・倫理から最新の生成AI技術まで出題範囲は広いが、前提知識がなくても暗記と理解で対策できる。E資格はここに加えて、微分・線形代数・確率統計といった大学レベルの数学と、Pythonでのモデル実装経験が前提になる。文系出身で実務未経験のままE資格に挑むと、認定プログラムの内容についていくこと自体が最初のハードルになりやすい。
結局どっちを取るべきか
判断基準はシンプルだ。AIを「使う側」として企画や意思決定に関わりたいなら、まずG検定で十分に説得力を持たせられる。一方でAIエンジニアやデータサイエンティストとして「作る側」の評価が欲しいなら、コストと時間をかけてでもE資格を目指す価値がある。両方を狙うなら、暗記中心のG検定で全体像を先に掴んでから、実装力が問われるE資格に進むのが遠回りしない順番だ。なお、同じJDLA系でも実務でのデータ活用力を測るDS検定とG検定の違いは、また別の軸の話になる。自分が「企画」「実装」「データ活用」のどこで評価されたいのかを先に決めてから資格を選ぶと、遠回りせずに済む。
それぞれの試験の出題範囲や勉強法の詳細は、G検定の難易度・偏差値・合格率とE資格の難易度・偏差値・合格率にそれぞれまとめている。
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